【報告】染めものワークショップ・秋 ~豊かな暮らしを彩る植物、果樹で染める~
四季折々、里山の豊かさを感じられるやさとですが、秋は格別。
山も畑も、そして食卓もにぎわいます。
10月14日〜15日の日程で、果樹をつかった秋の染めものワークショップを開催しました。
今回のテーマの植物は柚子と栗。どちらも染めるだけではなく、美味しくいただく予定です。
この時期の柚子はまだ大半が青い状態。一方栗はしっかり熟れています。
季節のバトンパスのような2つの植物は、それぞれどんな色になるのでしょうか。
(あれあれ、一番手前は・・・たわし?)
まずは柚子。柚子染めは葉っぱや枝を使います。農場の中にある柚子の木に実と葉を剪定に行きました。芳しい香りとは裏腹に、するどい棘があるんですね。
葉っぱを小さく刻み、大きな鍋で煮出しました。蒸気は柚子風呂の匂い。
待ち時間はリラックスタイムです。
染め始めは薄くて中々色がわかりませんでしたが、回数を重ねるごとに優しい黄色になってきました。くぐらせる手も気持ちいい。
春・夏につづき参加してくれた方は、なんと糸になる前の粗苧から染めていました。
ほかにも、重ね染めに挑戦する人、媒染の違い、下処理剤使用・不使用の違いを比較する人…
それぞれ探求する心で植物や布、繊維に向き合う時間です。
普段、媒染液に酢を入れて色素の定着を促すのですが、
今回はお試しで柚子果汁を絞ってみたりもしました。
(効果があったようななかったような…でも香りは抜群でした!)
はじめての参加者の方も、だんだんと布の扱いに慣れてきます。
初心者も経験者も、たらいを囲んで一緒に作業。
このゆるやかな一体感が、染めもののたのしみの一つでもあります。
色づき始めて間もない柚子の実は、青唐辛子と合わせて柚子胡椒にしました。
唐辛子ももちろん農場産です。
味が馴染む頃には、お鍋の美味しい季節になっていることでしょう。
(うっかりタネをいれるととんでもない辛さになるので注意が必要!)
つづいて栗染めです。イガを使って染めるので、中身は美味しくいただきました。
栗はわたしたちが行うワークショップの中でも比較的色が濃く出る植物です。
農場の動物たちも染めものに興味津々。一緒にやりたいのかな?
しっかりはっきり染まる栗は、お洋服のアップサイクルにも最適。
ブラウスやスカートの染め直しを試みた方たちも、きれいに染めることができました。
まだ着れるけど印象を変えたい、シミが気になる、というお洋服がある方はぜひ栗染め試してみてくださいね。
絞りもかわいく決まっています!
実りの秋にふさわしい、たくさん染めた2日間でした。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!
今回で2017年の染めものワークショップは終了となりますが、
また来年もいろいろな染め遊びをしてみたいと思っています。
2018年も染めもの部を宜しくお願いいたします!
(わ)